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「いい子症候群」とは何ですか?

うちの子供だけはいい子だと思っていませんか ?

最近問題視されているのが、少子化の影響もあり、過保護な親御さんがずいぶんと増えているという点です。
いわゆるモンスターペアレントですが、最近は略してモンペアあるいはモンペというのだそうです。
過保護になってしまうのも、晩婚化や少子化の影響もありますが、時代的にも仕方のないところがあります。

現代の親世代は、「向こう三軒両隣」を経験のない世代が多いからです。
また、核家族化が進み、おじいちゃんおばあちゃんからの知恵も、受け継ぐことができないといった弊害も指摘されています。
子供の間では、いじめ問題が悪質化しているといいますが、うちの子だけは、とお思いの親御さんも多いのではないでしょうか。

いい子症候群とは

皆さんは、「いい子症候群」という言葉をご存じでしょうか。
いい子症候群とだけ聞けば、いい子だからいいんじゃないの ?と思うかもしれませんが、人格形成に大きな影響を与えると聞けば、きっと考え直されるのではないでしょうか。
いい子症候群とは、周囲の期待に過剰に応えようとするあまり、必要以上にいい子であろうとする傾向が高くなるという症状です。

こうした、いい子症候群の子供たちは、大人たちの期待にこたえるため、自分を抑えてしまうのが特徴です。
結果的に、自己判断がつきにくくなり、ものを買ってもらっても、ごちそうが出ても、本心から喜びを表すことができなくなります。

なぜいい子症候群となってしまうのか

一昔前のおじいちゃんおばあちゃん世代では、親や教師から殴られることは日常茶飯事で、外で悪さをしても周辺の大人たちが注意をしてくれました。
良ければ褒められ、悪ければしかられる。
いたって簡単な構図でしたが、そのような中で思春期の反抗期を迎え、色々と失敗を繰り返し、将来はこんな人になりたいと、自身で夢を描くのが普通でした。
しかし、機能不全の環境で育てられた子供は、正常な人格形成ができなくなります。

特に虐待や育児放棄、親のアルコール依存症や離婚経験などは、人間形成に大きな影響を与えます。しかし実は、それだけではありません。
一見平和なご家庭でも、家庭ルールが厳しかったり、親子のコミュニケーションが欠けていたりすると、信頼やきずな関係も欠落してしまい、同じく人間形成が阻害されてしまうのです。

アダルトチルドレンに繋がることも

いい子症候群は、発達障害とも、関連性が深いと言われています。
怖いのは、親自身がいい子症候群だった、というケースもあるからです。
いい子症候群をそのまま放置しておくと、「アダルトチルドレン」になる可能性が高いとされています。

アダルトチルドレンとは、子供のころに自分らしさを失ってしまうため、大人になっても生きづらさを抱えてしまう大人のことです。
極端な例では、うつ症状に陥ってしまったり、家庭内暴力などDVを起こしてしまったりと、何かと問題が起きやすくなります。
そうならないためにも、子供に対して認め、自由にのびのびと、選択肢の幅を与えてあげる愛情が必要なのです。